体質改善こそが日焼け対策の基本事項
日焼け止めを利用していると、日焼け止めに含まれている成分などが原因で「肌荒れ」の症状が起こることがあります。日焼け対策の最大の目的は、日焼けがきっかけで残る後遺症であるところの、そばかす、染み、肌のたるみやシワなどを予防することにあるでしょう。
となると、日焼け止めを利用して「肌荒れ」を起こしてしまうのであれば、日焼けの後遺症のダメージを防ぐという目的を満たす以前にみずから肌を痛めつけているということになるわけで、あまり意味がありません。
日焼け対策は体質改善から
日焼け止めを利用すると「肌荒れ」を起こしてしまうというタイプの人間は、日焼けに対して完全に無力であり、太陽が「前門の虎」であり、日焼け止めが「後門の狼」であるというような逃げ場がない状況で、ただただ太陽が降り注ぐままに無抵抗に日焼けを我慢することしかできないのでしょうか。
私はそうではないと考えています。「前門の虎」である太陽に対して勝利をおさめるのは難しいのですが、「後門の狼」であるところの日焼け止めを手懐けることは、ある程度は可能だからです。
その方法のうちの一つとして、「日焼けをしにくい身体に改善していく」というものが挙げられるのではないかと思います。
その「改善」としては、「身体の内側をととのえて日焼けがしにくい体質をつくる」という「内部の改善」と、その「内部の改善」を通して「日焼け止めの塗布に耐えられる体質をつくる」という「外部の改善」の、二つの「改善」があげられるでしょう。
身体の内部を整えてから外部の日焼け対策を心がけよう
「身体の内側をととのえて日焼けがしにくい体質をつくる」などといっても、あまりピンとくる人はいないかもしれません。皮膚の表面に受ける紫外線が原因で起こるのが「日焼け」なのだから、日焼け止めのような「外部」の対策こそが何より重要なのではないか、と考えるのは、当然のことかと思われます。
しかし、日焼けというものが「肌」という「身体の一部」で起こるものである以上、「身体の全体」のメンテナンスがおろそかで「弱体化」しておりますと、「全体のうちの一部」である「肌」も、日焼けしやすい「弱体化した肌」になってしまいます。
そのような「弱体化した肌」は、日焼け止めに対する耐性も低くなっているでしょう。
日焼けの原因であるメラニンは代謝によってある程度排出したり、生成自体を抑えることが可能ですから、「身体の内側を整える」という対策は、日焼け止めという「外部」の対策をする前の土台づくりとして、まず取り組んでおきたいところです。
日焼けがしにくい身体に「内部」を改善する方法
「日焼けがしにくい体質」を獲得するためには、食生活と新陳代謝の改善がのぞまれます。砂糖、アルコール、脂質、食品添加物などを多く摂取する生活を続けていますと、「日焼けしやすい体質」になっていきますから注意が必要です。
紫外線を吸収しやすくなる「ソラレン」が含まれている食品群は、日が落ちるまで摂取しないほうがよいでしょう。摂取すべきなのは、各種ビタミン、リコピン、カロチン、亜鉛、アスタキサンチンなどが含まれている食品群です。
これらの食生活を心掛けた上で、新陳代謝のよい身体を作ることも忘れてはなりません。岩盤浴やサウナ、適度な運動などを継続し、汗腺を開き、新陳代謝のよい肉体を作り上げていくことで、「日焼けがしにくい体質」の「内部の改善」がおこなわれることになります。
「内部の改善」が「外部の改善」という影響を及ぼす
身体全体の「内部の改善」が行われると、「肌」という表面の「外部の改善」も同時に進行します。
日焼け止めで「肌荒れ」が起こる原因としては、「敏感肌」というのももちろんあげられるのですが、身体全体の「内部の悪化」にともなう「肌」という表面の「外部の弱体化」が原因でもあります。
「内部の改善」にともなって強化された「外部」であれば、日焼け止めに対する耐性もある程度は強くなっています。また、塗ることが可能になった日焼け止めによって食い止めきれなかった紫外線も、内部が改善された身体であれば、メラニンとして生成されるのを防いで排出してくれる、という働きを見せてくれます。
もし、「内部」の対策をせずに、日焼け止めという「外部」の対策だけをしていた場合、わずかに侵入してくる紫外線がメラニンに生成変化することを止めることができません。身体の内部が整えられていない状態で外部だけの対策をしても、それは、根本的な部分で日焼け対策ができていないのだ、と言い切ってもいいのではないかと私は考えています。
日焼けをしにくい体質をつくり、日焼け止めが利用できる身体を獲得していく、というのは日焼け対策における基本であるといえるのではないでしょうか。